トラックドライバーのストライキに関するお話です。
このストライキは、ブラジルで行われたストライキです。
なぜ、ブラジルでストライキが起こっているのでしょうか?
そして、日本でもこのような同じ事態は起きてしまうのでしょうか?
(2月)23日に始まったトラック運転手のストは26日も9州で続き、生産農家が不安を募らせていると26日付フォーリャ紙などが報じている。
国内最大の大豆生産地であるマット・グロッソ州では、ディーゼル油がなくなって農耕機器が動かせず、収穫作業が完全に止まった。
収穫を終えた大豆もサントス港などに運び出す事が出来ずにいる上、今後は収穫には不向きな天候が続くとの予報も出ており、収量の低下も懸念される。
なぜ、ブラジルでストライキが発生しているのか?
記事によれば、大きな原油の高騰によって、今回のストライキが発生しているということです。
特に、近年の上昇は目を見張るものがあります。
「輸送料金は10年間も据え置かれ、現時点での儲けはゼロ」とあるように、物流の輸送価格が上昇しないのに、コストだけが上昇しているのは厳しいでしょう。
ブラジルはおそらく貧富の格差もあり、当初から輸送コストは高くはないはずです。
そんな中で、軽油と人件費の上昇があるようでは、おそらく儲けはないでしょう。
日本でも、ストライキが起こる可能性があるのか?
こちらが日本とブラジルの比較です。
日本の上昇は尋常ではありません。世界的に見ても輸入に頼っていることを考えれば、この程度の上昇は仕方ないのかも知れませんが、国としても物流業界としても、日本はかなり厳しい状態にあります。
上昇率だけで言うと、ブラジルは比較になりません!!!
では、なぜ日本ではストライキが起きないのでしょうか?
統計的に見ても、現在の日本の運送業の6割は赤字決算と言われています。
それだけ、運送業界は収益性が低く厳しいのです。
ただ、第二物流法によって、規制緩和がなされてから日本の運送事業者は増加し続けてきました。
ですので、
「誰かが休んでも、必ず誰かが仕事する環境がある」
からなのです。
しかも、中小企業が多いというところも、ストライキが起きにくい要因でしょう。
日本の物流業界でもし、ストライキが起きるとすれば、日本通運が、ストライキを起こす時でしょう。
ただ、現時点で日本通運は儲かっているし、ストライキはしないでしょう。
しかし、あと10年もすれば、ドライバー不足が顕著になり、業界が再編する可能性があることを考えれば、いつどうなるかは予測ができませんね。
まとめ
トラック輸送は日本の9割以上の輸送を占めています。
物流は水、電気、ガスなどと同じように、一つのインフラなのです。
水道水がストライキででなくなったら困りますよね?
だからこそ、物流会社は自分たちの仕事には誇りを持ち、時流に合わせた運賃を貰うか常に変化し続けて、現在の運賃でもできることを考えなければなりません。
もしかしたら、それがドローンや自動運転かもしれません。
そんな技術は相当先だよと言っている経営者は取り残されます。
だって、こんなことまで出来るようになってるんですから。