【運送会社必見】猿でも分かる!運送版Uberって何?

物流の世界に、大異変が起こっている。

運送会社は「運べない」「運ばない」の大合唱をし、物流費アップを避けたい荷主である企業は大改革へかじを切り始めた。

これは「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社/7月5日号」の特集である。

なぜ配送することができないのか?3つの理由

  • クローズドな下請け構造
  • 宅配便市場の拡大
  • ドライバー不足

現在あなたの頭の中に浮かぶ配送会社は何社思い浮かぶだろうか?せいぜい10社当りだろうか?

驚く事に、現在日本の運送業界には6万3千社ほどの運送会社が存在する。そして厄介なのが、その構造である。元請けから子請けへさらに孫請け、ひ孫請けへと仕事は投げられる。運送業界は実に6次,7次までの多重構造となっている。

これは、完全にブラックボックス化された取引額を意味している。つまり下請け構造での配送費用は明かされていない為、適正価格が存在しないのである。

また、近年のインターネットによる通信販売の追い風を受けて、宅配便市場は急拡大。1997年に15億個だった個数は、2012年には35億個にまで膨れ上がった。

にも関わらず、2007年6月には中型免許制度が制定され、現役のドライバーの高齢化が進行している。法令順守をしなければならないので、沢山働くこともできない。つまり、ドライバーの給料が減り単純に職業としての魅力はなくなっている。

このような背景で、国内運送の9割を占めるトラック輸送業は非常に厳しい状況となっている。現状を解決するには、既得権益にぶらさがったブラックボックス化された状況を打破するしかないのだが、このような時にこそイノベーションは生まれる。


運送業界の課題を解決する海外での事例

勿論国内だけでなく、海外でも重層構造と配達物の変化によって上記の3つが業界の課題となっている。その状況を打破しよう立ち上がったシンガポール発のベンチャー企業がコチラ

運送版Uber(香港)

GoGoVanキャプチャ

「ラスト1マイルの距離でバンドライバーと荷物を送りたい人をマッチング」

2013年からサ−ビス提供しているシンガポール発で香港で展開している物流系スタートアップGoGoVanで、タイトル通りの運送版Uber(下で説明)である。2014年6月までに18,000のバンドライバーが「GoGovan」を利用している。

特筆すべきはドライバーの平均給与アップに繋がっており、今までより20-30%も収入は増えている。直荷主となることでコスト削減・収入増加に繋がっている。

「直接サービスを利用したいユーザーと簡単に繋がる」

誰でも情報発信が可能となった時代では、上記の「GoGovan」でもそうだが、直にマッチングすることが可能となった。ある種バズワードともなっているマッチングモデルを比喩した言葉「○○版Uber」の本家本元に「スマホを利用した配車サービス Uber」というものがある。

  • 相乗り版Uber ‥‥「Lyft
  • 弁当版Uber ‥‥「bento.jp
  • 医療版Uber等 ‥‥ 「Stat

Uberは4年前の2010年にサンフランシスコで始まった。

スマートフォン経由で短い距離でも低価格で利用できる運転手付きの貸切自動車を予約できるアプリ」

米時間2014/6月時点で推定時価総額170億ドルの企業である。日本でも2014年3月から一部地域限定で営業を開始している。一般的なタクシーとは少し違いがあり、スマーフォンで簡単に利用できる。サービスの快適さを表すUX(ユーザーエクスペリエンス)の面でもこだわりが見られ、画一的なタクシーサービスでは提供出来ない優雅な時間を感じさせる。

またハイヤーと呼ばれるスマートフォンで呼ぶと出迎えてくれる人は

日本では、法人であれば第2種免許の取得、個人であればさらに10年以上のタクシー、バス運転手経験が必要となる。なので各国の規制等によってハイヤーの条件は変る。

これまでの、配車サービス例えばタクシーの運転手と比べると遥かに給与での待遇が良い。ニューヨークで9万766ドル、サンフランシスコで7万4191ドルを稼いでいるといい、一般的なタクシードライバー給与の年間3万ドルに比較して3倍程の給与を獲得している。

配達することの画像

代表的業務

物流業務以外に費やす時間・コストの削減

上記のUberのビジネスモデルではこれまでタクシーで実現出来なかったことが可能になったことが革新的なことの1つに挙げられる。本来「人を目的地まで連れて行くこと」がタクシーの削っても削りきれない必要最小限の業務である。そこにUberの「直接顧客とマッチング」するモデルで、顧客の位置情報を取得するオペレーションにかかるコストは削減可能となった。

 物流業界でも水屋(荷物と運送会社の仲介役の役割)のような情報を整理するだけの業務をこなす会社がある。これからの時代はこのような業務にITなどを用いて革新が行われることが多くなってくる。

つまり軽薄なプラットフォームのオペレーションでは生き延びれない。本来のモノを運ぶという業務をいかに効率化出来るか、そして運ぶことに比例した給与を稼ぐ。今一度運送業界の本来の価値を見つめ直すこと、且つ自社以外の環境の変化に対して柔軟でいることが、先にも続く経営の鍵となるだろう。

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