「運送事業の決済を分析 大手も営業利益が減少」
とある新聞記事が出ていました。
全日本トラック協会という協会があり、その協会が出したデータが発表されています。
この新聞記事は、そのデータを元にした記事でした。
やっぱり厳しい運送業界
運送業界は、厳しいか厳しくないかと問われたら、非常に収益性が低い厳しい業界です。
営業利益率が全体で、−2.1%ですよ。
中でも、一番厳しいとされている10台未満の運送会社は営業利益率で、-4.4%。
なかなかこのような厳しい業界はないのでは無いのでしょうか?
なぜ運送業界は厳しい業界になってしまったのか?
運送業界は、昔は法律で守られた業界でした。
新規参入は簡単に出来ずに、運賃はある程度の水準を保たれ、儲かる業種でした。
だからこそ、ドライバーさんへも高い給料を支払うことができ、
「お金を稼ぐならドライバー」というイメージがつき、若手のドライバーが
こぞって志願していました。
しかし、現在では大幅なコストダウンにより、削られたのは、結局人件費でした。
ドライバーの給与水準は下落する一方で、平成9年には約33万円あった現金
給与所得から、30万円を切るほどになっています。
(厚生労働省毎月勤労統計調査)
その結果、何が起きたか?
それは、「若手ドライバー不足」です。
平成15年には全体の18%近かった20代のドライバーが、現在では10%を切る数字になっています。
そのため、「荷物が運べない」「荷物が届かない」
などの声が大きくなってきており、
「物流が危ない!◯◯男子が〜」
などの特集が最近少しずつ多くなっている気がします。
どうすれば、より良い業界になるのか?
運送業界には、多くの課題が残されています。
・軽油価格上昇
・中型免許制度の撤廃
・若手ドライバー不足
・コンプライアンス順守など
しかし、これらのことは、なかなか1社で取り組んでも難しく、業界構造、法の問題が大きく関わってくる問題でもあります。
しかし、自助努力でやれることも沢山あります。
それは、自社の保有資産である車、人、情報の根本的な効率化だと僕は考えています。
大手運送会社は、様々な手法と機器で効率化を図ってきました。
しかし、6万社ある運送会社のうち、ほんの一部しか、効率化は進んでいません。
現実現場は力技で、アナログで、労働集約的に仕事をこなしてきました。
しかも、上昇する軽油価格、トラック本体価格、厳しいコストダウンにより、削られたのは人件費でした。
そんな中、効率化が進んでいないところを効率化して運送会社の収益向上をサポートしていくことが非常に重要だと考えています。
業界大手だけではなく、約6万社ある中小企業を含めたすべての運送に対してITサービスにより効率化を図り、インフラとなることが大切なのです。
はこびラボでは、そのITを物流に注目し、これからも記事をお届けしていきます!!
※この記事は、ニオクルマガジンをリライトして提供しています。